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厨房という名のリングに立つ男・川田利明-「麺ジャラスK」訪問記 その3

 生ビール2杯空けたところでポテサラと肉味噌キャベツを完食。席を立ち、自販機に向かい、ウイスキーハイボールとハーフ唐揚げのボタンを押す。そしておかみさん(川田夫人)に声をかける。

 この時点で、“この人はちょっと変わっているな”とおかみさんは感じたみたいだ。大半の客が店主(川田)や各種ラーメンを目当てに来る中で、どちらにも我関せずとばかりカウンター隅に座り、テレビにも興味を示さず、かといってスマホに目を通すことも新聞・雑誌を読み耽ることもせず、グラスの中の氷を鳴らしぼぉ~っと酒を呑み続けているのだから。店がわにすればさぞかし気味の悪い客に映るだろう。

 僕にしてみれば、このカウンターの壁ひとつ隔てた厨房で“あの川田利明”が“自分のため”につまみを作り皿やどんぶりに盛っているその事実だけでもう充分酒の肴となっているのだ。川田と会話をしたいとか、ましていわゆる“神対応”をしてほしいとかいう望みはこれっぽっちもない。川田は、群れない・媚びない・へつらわないラスラーの典型でありゆえにオンリーワンだったはず。客にへりくだってナンボのアイドルみたいな“神対応”を求めるのはそもそもお門違いだろう。今の川田にとって真のファンサービスとは、美味いつまみや麺を適価で提供することなのだ。

 そんな川田のこだわりは、ハイボールのアテに頼んだハーフ唐揚げにも十全にうかがえる。出来あいの物に逃げず自身で仕込んだ隠し味の利いた逸品。テレビからは、桑田佳祐やスピッツなどの“本物のロック”をやっているアーティストの新曲が流れてきた。カッコいいじゃないか。その音楽番組に抱いた不快感が消えてゆく。桑田だってスピッツだって媚びていない。常に自分で有り続けている。ロックとはつまりそういうことであり、それは川田の“オレだけの王道”と地続きのものだ。オレはそういう芯の通った美意識が好きなのだ。

 ハイボールをおかわりし、桑田やスピッツのロックも肴に早々に呑み干す。身体が数ミリほど宙に浮いた感覚にとらわれる。どうやら酔いが深まりつつある。よかろう、自分にとって「麺ジャラスK」はあくまで居酒屋なのだから。キムチとメンマの盛り合わせをアテにレモンサワーを呑むべく自販機に向かうと、体格の良いレスラー風の人がポロシャツ姿で入ってくる。一見してわかった。昨年11月に逝去された永源 遥さんであった。

 永源さんの来店で場内の雰囲気は一変する。厨房で料理中だからと川田には比較的遠慮していた客たちが、次々に永源さんに向かってプロレスの話題を振るのだ。本人にしてみれば迷惑この上なかっただろう。だがさすがは永源さんである、話しかける客たちを邪険にするでもなし適当にあいづちを打ちつつあしらっていた。やはりタニマチの多い人は違うと感嘆した。

 ふと時計に目をやればもう22時を回っている。帰りもタクシーを利用することを考えるとこれ以上の長居は危険。というわけで締めに選んだのは鶏白湯ラーメンである。これも美味かったね。スープ・麺・具のチャーシューのどれを取っても川田流。“俺だけ”のこだわりが隅々まで行きわたっていた。

 結論。やはり川田は川田であった。レスラー時代同様に川田は「麺ジャラスK」においても“俺だけの王道”を貫いていた。他のレスラーのように名前だけ貸し出して飲食業に進出し儲からなければ早々と見切りをつけて店を潰す安直さとは無縁の男。やるからにはすべてを自分で手がけそこにオトシマエを付けなければ気が済まない男。群れない・媚びない・へつらわない男。川田利明は厨房というリングの中で味と戦い続けている。この事実を再確認できただけでもはるばる成城学園まで来た甲斐があった。ありがとう「麺ジャラスK」。(おわり)

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厨房という名のリングに立つ男・川田利明-「麺ジャラスK」訪問記 その2

  「麺ジャラスK」は、入口を背にしてすぐ左に自動販売機がある。メニューはすべてそこで食券を購入し従業員に声をかける。これが注文時における同店のシステムになっている。

 従業員は店主(川田である)を除くと一人。後日その方が川田夫人だと知ったわけだが、その所作は実に迅速かつ的確でほぼ満卓の場内をてきぱきと捌いておられる。とても好感の持てる方であった。

 店名や看板に描かれた店主(川田である)のイラストを見る限り、「麺ジャラスK」はラーメン屋のように感じる。しかし川田によるとそうではないらしい。“美味い肴をつまんで、美味しい酒を呑んでもらい最後に美味しい麺で締めてもらう”・“あちこち店をハシゴしなくてもここにくればすべてが揃っている”。そんな店が理想らしい。ずばり、「ウチはラーメン専門店じゃありませんよ、居酒屋です」と断言もしている。

 その意気や良し! というワケでカウンターを立ち自販機に向かう。酒は生ビール、つまみにポテトサラダと肉味噌キャベツを選び奥方に声をかける。オレもあくまで居酒屋として同店を堪能させてもらおう。

 あらためて周囲を見回す。場内は、黒を基調にカウンターやテーブルの色も黒。つまり店主のリングコスチュームカラーである。黒地に黄色を利かした色使いがレスラー時代の川田の出で立ちであり、それはそのまま、師匠・天龍源一郎率いるレボリューションのイメージカラーでもあった。“やはり川田はレボリューションを忘れていない”。無性に嬉しくなり生ビールがすすむ。つまみに出されたポテサラと肉味噌キャベツもお世辞抜きに美味い。簡単メニューであっても確実にひと手間加えた味。量も多い。これだけでジョッキ2杯イケそうだ。というワケで生ビールを追加。あくまで居酒屋として同店する所存である。

 カウンター前中央に置かれた大型モニターからは相変わらず民放の音楽特番が流れている。テレビ画面を視界に入れるのがイヤだからなるたけ死角にと左隅に腰掛けたのだが、それでも音声だけは否応なし耳に飛び込んでくる。これがまた実に鬱陶しい連中の愚にも付かない駄曲ばかりで耳がひんまがりそうになる。その不快感は松山千春の登場で臨界点に達した。酔いが進めば耳障りな“騒音”もまだ気にならなくなるだろうと自販機に向かう。度数の高いウイスキーハイボールのボタンを押した。(つづく)

厨房という名のリングに立つ男・川田利明-「麺ジャラスK」訪問記 その1

 川田利明の店「麺ジャラスK」に行った。ちょうど一年前のことだ。

 同店の最寄り駅は小田急小田原線・成城学園前駅南口。調べてみるとそこから徒歩12分とある。まずは歩いてみようと思ったが駅に到着した時点ですでに夕刻。陽はすでに暮れかかっている。その上に土地勘の無さも手伝い、どこをどう進んでいいのか早々と道に迷ってしまった。やはり駅からはだいぶ距離があるようだ。

 なので、なんとかタクシーをつかまえ、メモしておいた「麺ジャラスK」の住所を運転手に告げる。右折・左折を繰り返し同店がテナントに入るビルの前に着くまでに3分強かかっただろうか。片道二車線の街道沿い。その向こうには瀟洒なマンションが建つ。周囲にはコンビニエンス ストアすらない。閑静な住宅街の一角にあるこぢんまりとした個人経営店といった趣である。

 表から容易に覗けないようにとの配慮からか、店舗周りは杭を並べた黒い柵で覆われていた。その柵に、川田のコスチュームカラーでもあった黄色を地にした長方四角形の看板が据え付けてある。ちなみに袖看板も黄色だ。

 期待と不安が交錯する中ドアを開けた。入口を背にして正面のカウンター越しに厨房。その中で一心不乱に調理に勤しむ上下黒づくめの店主と目が合う。まぎれもなく川田利明である。

 本当に久々にこの目で見た川田は、リングを退いてかなり経ちレスラー用の体作りから離れているゆえだいぶ細身であった。刈り上げに無精髭という全日時代の姿を想起すると肩透かしをくらうだろう。前髪を下ろしたその面構えは確実に誰かに似ている。誰だろう…。 う~む…。そう、思い出した! 人気AV男優の吉村 卓だ!! いや、本当に似ていたのである。

 カウンター中央前に置かれた特大デジタルテレビのチャンネルは某民放の音楽特番である。元々テレビがあまり好きではない性分なので、そこに背を向ける姿勢でテーブル席に着こうと考えた。だが、一見の一人客だからか、店主に「カウンターにどうぞ!」と先に声をかけられてしまう。つまり川田が言うのである。ここはもうカウンターに座るしかない。自分は左端の席に腰を下ろした。(つづく)

彼女たちの流儀

 8年前の2009年6月。自分は、ナイタイ時代の大先輩・飛鳥 翔氏の計らいのおかげで、氏が専務を務める出版社刊行のアダルトDVD専門誌「AV FREAK」に専属ライターとして参加することになった。ナイタイを給与未払いの会社都合で辞めたのが2008年5月。丸1年ぶりの社会復帰だった。

 1年2か月におけるAVライター時代ついてはこのブログにそれこそ何度も綴っている。当初の苦労が多かった分、書くことにやり甲斐を見出せてから以降の充実感はひとしおだった。今でも、締め切りに追われつつ必死になって原稿を書いたあの頃を、ナイタイ時代とはまた違う意味で度々懐かしく思い出す。

 自分が紹介した作品に出ていた女優は、当然のことながらその大半がAV業界を去っている。なんといっても8年である。その歳月は長く重い。引退に際しけじめのイベントを行ないファンや関係者に惜しまれつつ去っていった女優がいる一方で、SNS上でも正式な宣言をすることなく中途半端な形で業界から消えていった女優もいる。そんな中で未だに惜しいと思うのは前者で書けば東野愛鈴と村西まりなであり、後者で書けば鷹宮りょうと松生 彩である。

だからなおのこと、未だ第一線で頑張っている女優はすごいなと感心する。明日花キララ・川上ゆう・佐山 愛・つぼみ・北条麻紀・吉沢明歩etc…。

 意外なところではKAORIという女優がいる。この人は、もともと森嶋かおりという名でキャンギャルをやっていた。あのMUTEKIレーベルから、2010年の春に“現役キャンギャル云々”のふれ込みでデビューした。“そういう人”の常として、その処女作は、どこからどう見ても嫌々やっているのが見え見えな代物で、“こりゃ、1年も経たないうちに辞めていくな”と確信した。それがどうだろう、バリバリの現役女優として、未だコンスタントに主演作をリリースし続けている。つまり最初から腹をくくっていたということなのだろう。まぁ、キャンギャル時代とは似ても似つかないルックスになってしまったが…。

 女優のキャリアを堅実に積み重ねつつ、自分が本当にやりたいことに挑みその分野でも高い評価を得る人もいる。西野 翔はアニソンをフォローするイベントDJとしての知名度が本業を上回る感じだし、希美まゆは本格派シンガーとして近い将来必ずブレイクすると確信している。

 そして大塚 咲さん。絵心があり、写真のセンスにも長け、優れた文才をも持ち、それらを同じカラーで統合し唯一無二の世界を構築してしまう。本当にすごい人である。絵は描けないし写真は撮れないし文章を書くのは好きでもそれが秀でたものなのかまったく確信の抱けない自分などは、彼女の作品にふれるたびしばしば無力感にとらわれる。

 描く才能(絵画・イラスト)・撮る才能(写真)・歌う才能&弾く才能(音楽)・書く才能(文筆)。もちろん演ずる才能(舞台・ドラマ)etc…。本人が意識するしないにかかわらず優れた才能を持つ女優がAVの世界には相当数存在する。だから、そういった才能に着目しそれらを紹介するブログも十分ありだと思うのである。
 

終わりの始まり その6

  たとえ遅配が続こうが、ナイタイ出版の定期刊行物に携わる編集部員には、2007年いっぱいなんとか給料が支払われていた。

 事態が悪化したのは年が明けた2008年からである。1月分の給与はまたもや遅配だった。自分の場合、支払いが全額済んだのは2月15日・金曜。本来なら5日に全額振り込まれるはずの給料日がこうして繰り下がるのはもう慢性化していたから最早さほど気にも留めなくなった。だが問題は2月分からである。
 
 3月5日・水曜の午後、昼食を取った後で、“どうせ全額は振り込まれていないんだろうな”と思いつつ、会社近くのATMで給料払い戻しの手続きをした。

 …。あぜんとした。1円の入金もなかったのだ。

 それまでは、たとえどんなに少額であろうと、5日の時点で給与は一部必ず入金されていた。

 それがないのである。“マジかよ! シャレになってねぇよ!!”…。心の中で驚愕しつつ、一方では、“来るべきときがとうとう来たか…”ともつぶやいていた。

 ギャラの未払いに憤慨しナイタイに見切りをつけた外注要員、歩合の未払いに失望しナイタイを去っていった営業部員。彼らのことを考えれば、“よく今日の今日までオレたちはなんとか給料を貰えていたよな”。そう思ったのだ。

 先の2月には、29日・金曜に国税局の査察がナイタイに入る事件も勃発した。その結果、関連書類を押収され、税金滞納を理由に会社の口座が差し押さえられしまった。ナイタイは組織としてすでに“死に体”だったのだ…。

 2日後の3月7日・金曜に、経理部員からだったと思うがまたもや現金で給与の一部を手渡された。総額を半分も満たしていない。しかし、自分が3月中に貰えた2月分の給料は結局それのみだった…。

 2月分給与の支払いが全額済んだのは驚くなかれ、6月17日・火曜である。1カ月分の給料を貰うのに丸々3カ月かかったのだ…。(つづく)

プロフィール

ノゲイラ牧

Author:ノゲイラ牧
フーゾク、デークラ、ホストにテレクラ。キャバクラそしてAVと、怒濤の業界遍歴を経てなおさまよい続ける。明日はあるのか?

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